くろくろ合宿 2019/8/17~22

大変お世話になっております。信州大学人文学部4年の岡本と申します。この度は昨年夏の合宿で私が計画者兼リーダーを担当いたしました「くろくろ合宿」についてご紹介したく、投稿させていただきました。御一読いただければ幸いです。
とかいう🤬みたいなメールを送信する日々を送っています。僕はね就活なんてどうでもよくてぇ山の、山のこととか考えてダラダラしたいんです!!

え~このくろくろ合宿、名前の通り黒部ダムから入って黒部ダムに戻ってくる合宿、という計画になっており、どういうことかというと、下の計画時の概念図(上)と報告書の概念図(下)を見ていただければ大体把握していただけるかとおもいます。


(字が汚い)
そう、計画段階では剣沢雪渓を登り、ダムの西側を一周して読売新道を降り再び黒部ダムに至る、その名の通りの黒→黒合宿だったのですが、入山日が台風で後ろにずれ、メンバーの日程の関係から(黒部ダムをかすめつつ)室堂入山となり、最後は高天原山荘あたりで再び台風の気配を感じ、悩んだ結果、新穂高温泉に下山する形となりました。結果的にはくろしほ、いえ、むろしほ合宿ですね。

前置きはこの辺にして出発しましょう。
ありがたい見送り。しかしここは扇沢駅、夏休み、土曜日、人が少ないはずがなく……。切符を買うため長蛇の列に並び、見送り主(こだま合宿の人)もメンバーも謎の表情になってしまいます。
黒部ダムを通過。なんて贅沢なアプローチなんだ
着きました。室堂。立山登山を終えたかのような絵面ですがまだ登山していません。
言い忘れてましたが上の写真の5人がくろくろ合宿のメンバーの5人です。登山はまだまだ始まりません。
ガス(霧)の中、浄土山、獅子岳を通過していきます。立山はまた各自で行きましょう。
ロープウェーで室堂までらくらく標高を上げてしまったため、浄土山までのアップでさえ微妙に精神にこたえます。文明の利器に頼りすぎるのも考え物ですね、とかいいつつ文明の象徴みたいな登山道を黙々と進んでいきます。
1泊目、五色ヶ原に到着しました。到着すると晴れ間が見え始め、秘境らしい素晴らしい景観をみせてくれました。こっち側の剣岳なんかは位置的に見えませんが、写真に写っていない右側には針ノ木岳あたりを近くに見渡せたり、上下左右360度楽しめるすごいキラキラした場所です。
快適そうでなにより
夕食の創作アヒージョで盛り上がってまたのんびりした後就寝。平和すぎて不安になる。

2日目、スゴ乗越小屋へ。
五色ヶ原と日の出。いや~いい天気。
五色が原⇔薬師岳間はそれなりにアップダウンがあり行程も長く、個人で行くなら1日で突っ切るかスゴ乗越小屋で区切るか迷いどころなのですが、ワンゲルでは基本のんびり区切って行くことにしています。テン場や小屋でのんびりするのもいい時間ですしね。ちなみに上の写真の中央よりちょっと上、右寄りに見える赤い屋根がスゴ乗越小屋です。
スゴ乗越小屋に到着。テントを立てハンモック(とポテチ)を楽しむ。

3日目は薬師岳へ。
登り初め序盤、まだ頭も若干寝てるうちに食べたチョコ入りのシリアルがすごく何とも言えない味になっていたので、全員が全員に押し付けあっているときの写真です。
ここのスゴ乗越から行く北薬師⇔薬師岳の前後の稜線が好きすぎてすき焼きになった筆者なのですが、どのくらい同意していただけるものでしょうか。
ただでさえ好きな稜線なのにいい天気と素晴らしきカールも相まってもう満足してしまいそう。
北薬師岳で撮った集合写真。薬師岳の写真はたしかtwitterに上がってましたね。

宿泊場所である薬師峠に到着。隣接する太郎平小屋に行き、デポ(小屋に置かせてもらっておいた食料等の荷物)を回収し、さっさとテントに
行く前に小屋食の誘惑に負けてしまいました。カレーうどん。

しかし、お気づきいただけただろうか……、ウキウキでうどんを頬張る彼らの背後に悪天候が迫っていることに……。
なぜかテン場で乾かされるテント。

この日、それなりに人が多く、一等地は埋まっていたので、寝心地寄りの場所を選んでテントを立てたところ、夜、予想外の土砂降りに。浸水からテントを移動するというミスを犯してしまいます。結構な斜めの場所であろうと、土砂降りにならなさそうでも、とりあえず水の流れを最優先で場所を選ぶという教訓を再認識することになりました。

4日目。薬師沢、大東新道を経由し高天原小屋に向かいます。
大東新道は大東鉱山の採掘のために大東興業という会社が切り開いた道だそうで、増水時には通れなくなったり、途中川岸の大きな岩の上ギリギリを歩いたりと、中々険しい道となっています。通る前の山道状況の問い合わせは欠かせません。
何と言っても岩が濡れてるのが怖い。慎重に進みます。
途中何回か沢を(ポイントは易しく整備されていますが)渡渉したり、連日の悪天候で木が倒れていたり。
晴れているとスカッとした青くきれいな沢の横を歩けるのですが、くもりとはいえ悩ましいものです。その曇りも天気図的には行程時間ぴったりくらいまでしかもたなそうで、雨が降るまでに小屋に間に合うだろうかと少しひやひやしながら進み
(あせらずに行こう、 お花畑と温泉が まっているよ)

間に合いませんでした。
実のところ、危ない大東新道はまず雨の前に通れてかつ、高天原峠以降は危険な個所も無いため雨覚悟で突っ切ってしまいました。

高天原山荘に到着。高天原温泉だ!
雨の中であろうと山行中の温泉は格別です。
お~。

小屋でゆっくりしつつ、がっつり居座っている前線のことを考えたり考えなかったりしながら就寝。
翌日水晶小屋に行き、読売新道を下ることができる天気では全くなかったものの、1、2泊粘った先で前線がいい方向に動く可能性もゼロではなく、悩むメンバー。
かなり考えた結果、翌朝予報が入る分岐地点まで行き決定することにしました。

小雨の中起床、5日目。
雨ですね。お花畑もあります。
これは途中で寄った水晶池です。筆者的にはなぜか念願の水晶池だったりしました。見上げると厚い雲はありますが水晶岳は見当たりませんでした(という顔で自撮りしています)。
分岐に到着。前線が長く居座るとの予報を受けエスケープを決定。そうと決まれば三俣山荘へ向かいましょう~。
鷲羽岳山頂。風がつよかった
夜は最強の雨が降るという予報と、決まってしまったエスケープとの相乗効果で最後の晩餐的な小屋泊へ。贅沢
三俣山荘のきれいな小屋で、お話していた方に飲み物まで奢ってもらうという有難さに浸りながら、翌日の天気と下山に思いを馳せつつ爆睡。


最終日、雨の中三俣蓮華岳へ。合宿ラストの登頂。
ホラーである。
双六を経由し、
ライチョウを横目に下山、といきたいところでしたが増水による通行止めがあり、鏡平小屋でちょっと足止め。国籍入り混じる大集団と化した待機者の皆さんが、通行止め解除時にちょっとした歓声と拍手に包まれていたのはなんだかドラマチックな光景に映りました。
そして長く、舗装された、足裏の痛くなる林道を乗り越え無事下山
いや~、お疲れさまでした。

台風・前線に挟まれ、結果的には6日間と、かなり短くなってしまったこの合宿ですが、それはそれで濃い内容になった気がします。大学生とはいえ、複数人でパーティを組んで行く以上天気や日程にある程度縛られてしまうのはデメリットもありますが、4人、5人といったパーティでの長期縦走でしか味わえない良さもたくさんあります。翌年以降、やむなくカットした場所をリベンジしつつ、かつ2週間の合宿も体験してくれればもう言うことありません(パワハラ)。
ひとまず、ここでくろくろ合宿の紹介は以上としたいとおもいます。お読みいただきありがとうございました!

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