BULLS合宿 唐松岳結成 2024/7/20,21

 どうも、23の小林です。

今回は我々BULLS合宿の結成山行についてのブログ、(上)となります。
※今回のブログは4時間弱に及ぶビバークを含む内容となっております。ビバークの描写が苦手な方は読むのをお控えください。

1泊2日で唐松岳と五竜岳を巡る山行で、行程は黒菱平から入山して八方尾根を登ってゆき頂上山荘のテン場で宿泊、翌日は牛首の岩場などを通りながら五竜岳方面へ向かったのちに、小ピークをいくつか超えながら遠見尾根をひたすら下り、アルプス平駅にゴールするといった流れです。

まずは松本から黒菱駐車場へと向かいます。ひとつ前の多分、南。合宿の唐松岳結成のブログでは、黒菱林道が途中で通行止めになっていたと安っぽい図解付きで書かれていましたが、我々は牛の群れに阻まれてしまいました。




合宿名の"BULLS"にふさわしいアクシデント!複数形と矛盾しないようにしっかり2頭以上で出迎えるというご丁寧な出没!!よくできているじゃないか!!!でも、邪魔だな...ということで、クラクションを軽く鳴らしたところ、「さすがにどかないと色々めんどそう」「人間は盛り上がってから飽きるまでが早い」などと牛たちも思ったようで道を空けてくれました。運転手のSさんが「あぁ、うんち踏んじゃったよー」と嘆きながらも、無事通過することができました。確かにかなりの量が落ちていました、ハイドロプレーニング現象は危惧されるくらいに。(苦笑)

黒菱駐車場から黒菱平まではリフトを使わずにリフトに並行するつづら折りの林道を登るつもりでしたが、関係者以外立ち入り禁止になっていたためやむを得ずリフトを利用しました。



(メインザックのせいで視界ゼロです。ゼスプリのキウイブラザーズの100Lザック版ですかね。)


ガスガスの黒菱平を出発して45分ほど歩いて1度目の休憩。




これは最近僕が流行らせている写真用のポーズ/表情です。たまたまインスタで見つけた某私立大学山岳部の集合写真がなにか絶妙に面白かったので取り入れました。ピースや笑顔は一切なしで体の横で軽く拳を握って立つのがポイントです。本家の皆さんは本当に何とも言えない表情で本当に何とも言えない雰囲気を醸し出しています。しかしながら、我々のパーティーではいい加減な女子2人によって勝手なアレンジが加わり、もはや原型を留めていません。




この有様ですよ。もう!!!!!


この休憩の途中から雨が激しさを変えながら降り続けていたのですが、再度強くなった雨が中々弱まらなかったので、途中のトイレ小屋で一旦雨宿りすることにしました。ですが、登山客の多い八方池までの区間であったことから、我々が到着した頃には軒下はもう既に雨宿りする人でキャパオーバー気味になっていました。5人が入れるほどの軒下は残っていたのですが、端っこだったので風や横殴り雨は防げないといった状態でした。このままではそうした雨風によって低体温症などになるリスクが高いと判断し、そのスペースでツェルトを被ってビバークをすることにしました。




はい、長い長いビバーク章のスタート。ツェルトを本格的に使用するのは入部したての頃の講習会以来でしたが、いや本当にあったかい。ほんまにほんまに。3年生のリーダーがいない(勉強が忙しくて今回欠席)中でしたが、適切な判断ができたと思います。




こうして、あったかいあったかいとツェルト内で感動しながら着替えをしたり行動食をボリボリ食べていたりした我々ですが、この黄ばんだ楽園は外から見れば、謎の黄色の布に包まれた意味不明な物体なのです。たまに動くし、たまになんか中から声が聴こえるし、なんか撥水してるし。その不審さゆえに、心のない言葉もたくさんかけられました。「なんだこれ」「こんなところにあると団体客が×→÷○÷〆%々|+」「あれ人なの!?」「中に人がいるわ」「ごめんなさい、踏んづけちゃった」(一部抜粋)
「ビバーク中です」「中に5人もいます」などと返したりしましたが、喋る障害物に皆さんはすっかり怯えてしまい、大体我々の返答で会話が打ち切られてしまいました。本当に怖かったと思いますよ。また、トイレ小屋のスペースを必要以上にとらないようにと、5人分のザックをトイレ小屋そばの野晒しのベンチに全部置き、もう一つのツェルトで包んでいたのですが、周りの登山客にはこちらのツェルトのなかでも勇敢な若き青年たちによって懸命なビバークが行われていると勘違いされていたようです。激しい風雨にもびくともせず静かに静かにビバークし続けるその実直な姿のために、なかには「頑張れよ」などと無人のツェルトを鼓舞してゆく登山客もいたとかいないとか。この場を借りてお礼と訂正をさせてください。


ビバーク開始から4時間ほど経った10時ごろにようやく雨が止み、我々は唐松岳に向かって山行を再開する用意をし始めました。そんなこんなで最後にトイレに行こうとしたところ.....





あれ?このイラスト.....見覚えがあるぞ.....




「はいわたしですわたしですこれですこれですほんまですほんまですこれともろ同じです同じです。」
一同大盛り上がりしました。この直後に、女子2人が同じの募金箱にほぼ同じ動線で頭をぶつけるアクシデントがおきて、また大盛り上がりました。たたみかけてくんな。はい、山行再開するよ。

ほんのちょっと歩いてすぐ八方池に到着しました。八方池への我々の興味・感心・意欲・態度ははっきり言って低いので、ちょちょいと通過。




同期女子K。明らかに帽子の様子(特に正面側)がおかしかったので、なんでそんなことしてるのだと僕が聞いたところ、「前(のツバ)が邪魔だから」と返答。翌日、折り曲げていた部分がベコベコになっていました。本当に無茶苦茶な人です。ほんまに。。。

八方池から先も特に急登や危険箇所はないですが、何故かとても長く感じます...。強風に打たれながらも八方池から4時間ほどで頂上山荘に到着。早速小屋で受付をしてテントを張ります。かなり強く吹き続けている風、この先しばらく抜けなさそうなガス、テントサイトから小屋までの登り返し、あったかくて心地よいテント内...。読者のみなさん、あなたなら唐松岳までピストンしに行きますか?いや、行けますか???我々の答えはこうです。「シブい」「行かなくていいかも」「メンドイ」「結構キチィ」「メンドイ(2回目)」(※脚色してますからね。そこら辺ご理解ください。)
3年生のリーダーがいないことをいいことに皆言いたい放題でしたが、ガスが動き始めて少しずつ山肌が顕になった唐松岳を見たKが急に唐松岳ピークハンター化したことで、パーティー内はなんだか行くムードになりました。メインザックからの詰め替えをしていたサブザックを背負ってすぐ出発。




コースタイムも20分ほどの短い区間なので10分ちょっとで到着。...しましたが、またガスがすごいすごい。今日は朝から展望少なめビバーク過多の山行だったので十分ゲンナリしていたのですが、もう一段階ゲンナリのボルテージが上がってしまいました。しばらく山頂で待っているうちに少しずつですがガスが再び抜け始めてどっかしらの山(本当にどっかしら)、さらにはほんの一部の青空が見え始め、女子2人が騒ぎ出しました。ということで、もう一回写真も撮り直しました。ここでまずこの写真をご覧ください。




トイレ小屋で雨宿り中に撮ったこの写真。同期のA(右側)がとてもかわいいということで、女子2人が同じポーズに挑戦しました。結果はどうか...!? 




24のF、上手くできてる。上手上手。後ろの人も写れるようにしゃがむ気遣いまでしていて素晴らしい。続いてその後ろの人K、だいぶ失敗、脱臼?、まず首座らせよう。ここまで模倣行動が苦手な人間には初めて出会いました。


さて、テン場まで戻ります。ここの稜線も晴れていたら小屋を望む景色が非常に綺麗なはずなんですがね...。どんな景色か見たい方はひとつ前の「多分、南。合宿 唐松岳結成」のブログをご覧ください。綺麗ですヨォ。テン場に戻ってからは、エッセン、米炊き、天気図とそれぞれ役割を分担して作業をして、エッセンを食べます。今日の晩ごはんは僕がクックしたチキンのトマト煮。




まぁまぁおいしかったです。家で作った時はもっとおいしかったんだけどなぁ...。癇癪(かんしゃく)を起こすのはグッと堪えました。パーティー内での話し合いと下界にいる先輩との連絡の末、明日も天気はよくはないもののなんとか持ちそうだったので、往路下山はせずに予定通り五竜岳まで向かうことに決定しました。おやすみ。

翌4時。激しい雨が打ち付けられ、大きく揺れるテント。びっくりしながら起床しました。ちゃちゃっと朝ごはんを食べてテントの撤収など出発の準備をします。ちなみに朝ごはんはいなり寿司の皮を載っけたちらし寿司でした。味だけでなく手軽さも含めて個人的にかなり好きなメニューです。ヘルメットをつけて出発。

小屋から歩き始めて間も無く、危険箇所の牛首の岩場に突入。かなり緊張感のある岩場や鎖場が続きました。こんな感じです。強風が吹いており岩も昨日からの雨で濡れていて、非常にリスクは高まっていたように感じました。昨日に引き続き辺り一帯はガスまみれだったために高度感による怖さはなかったものの、足を滑らせて落ちたらただじゃ済まないといった感じでした。ですが、そうした最悪のシナリオだけを考えても仕方ないわけで、目の前の岩を三点支持の徹底と適切な足場の見極めで抜けていくことに集中しました。







無事牛首の岩場を通過した後は多少のアップダウンを繰り返しながらひたすら稜線を歩きます。これは途中にあった切り立ちすぎている岩。




これは途中に咲いていた綺麗な花。




普段僕は「高山植物なんて知らん」みたいに植物に対してそっけないというか塩対応なのですが、この花はだいぶかわいくて思わず立ち止まってしまいました。心を揺さぶられましたね。

はい、五竜山荘の手前までやってきました。




あれ、五竜岳なくね。まぁ、まだ見えるには遠かったのか、もうちょい進もう。


五竜山荘に到着しました。




あれ、五竜岳なくね。ということで、五竜岳の捜索を早々に打ち切り、もう五竜は消滅したかあるいは建て替え工事中なのだと判断を下しました。この捜索中に降り始めた雨が上がるのを待って、Sさん(リーダー)から差し入れてもらった餅を食べます。




厨房の様子。




実食の様子。とてもおいしかったです。茹でたてを食べて、その熱さのあまり唇に触れた時点でリバースする人も若干一名いましたが...。餅って本当に危ない食べ物ですね。この目で見て学びました。


では、話を山行に戻します。パーティーでの話し合いの結果、先ほどの牛首の岩場のような雨で濡れた状態の岩場を進むのはリスクが高いということで五竜岳までのピストンをカットすることに決定しました。ということで、遠見尾根を通って下山してゆきます。もう読み飽きましたよね。たぶんギブアップしている人いると思います。だって、ここまでで4000字も書いちゃいましたもん。ということで、ゴール地点のアルプス平駅までワープします。ちなみに道中はこんな感じ。







ガスが抜けて八方尾根が見えたとき、唐松岳などは一切探さず、昨日のビバーク・トイレ小屋を全力で探す我々一同。山座同定ではなく便所同定。同定完了時は大盛り上がり。BULLSらしい一場面です。

はい、ワープ。観光客の皆さんがお花畑をコースタイムの30%くらいでゆったり散策するのを横目に過積載暴走下山学生集団の我々は200%くらいで駆け下りていきました。




到着!




アイスを食べて!




パーマを整えて!




ちょいとテレキャビンを背負い投げして!帰宅!

あとがき
今回の山行を振り返るといくつもの楽しい場面が思い出されますが、こうした道中での楽しい瞬間の裏には無数のリスクがあるということを改めて実感させられるとともに、山での一つ一つの判断の重要さやそれに伴う責任の大きさを痛感しました。少しばかり逞しくなった気がするメインザックを見つめながら。




(下)に続く。おしまい。


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