闇なべ合宿 2023/08/09~14

 こんにちは。おそらく初めまして。在学年数三年の春木です。この度は5人の愉快な仲間と共に 南アルプスにて8/9-8/14までの5泊6日の縦走、名付けて「闇なべ合宿」の記憶を書き留めようと 思います。合宿名の由来は計画に「光」岳がないこと(=闇)と、合宿の首領である3年の渡辺を合わせたものです。どうぞ楽しんでいただけましたら幸いでございます。 

8月9日 

 実は出発前に色々ありまして…浮足立った状態でのスタートとなってしまい、少々不安ではあり ました。そして曇天。雨の気配も感じる中、いざ合宿スタートです。 



 登山口の鳥倉ゲートまでは同期のプリウス野郎と尊敬してやまない偉大なる大先輩のM氏が 送ってくださいました。ありがとうございます。 

 ゲートから登山口までの舗装路で早くも足が悲鳴を上げますが(そして後輩が泣き言を言います が)聞こえないふりをして歩を進めます。三伏峠小屋に向かう途中でなんと雷鳴が!しかしこれも 同じく聞こえないふりをして進みます。雨も降りますがこれも同じく気にしません。

すべてを無視すると笑顔になれるんだよね 

 そうしてるうちに三伏峠小屋に到着。なんと小屋番の女性の方が伊那フェラインのOGさんで、一 同驚愕。東屋にて服を乾かさせていただきながら、三伏峠小屋名物であるカレーを堪能。おい しゅうございました。この日のエッセンは合宿名にふさわしく闇なべでした。各々担当食材はちゃ

んと買うという防衛線を張りながらも、2コまでなら自由に食材を持ち寄ってよいというルール、の はずでしたが違反者のせいで崩壊。反省、しよか。 

8月10日 

 目指すは今合宿の見どころが一つ、百名山塩見岳。天候にも恵まれ、期待に胸が高まります。 サブザックということもあってか三伏峠小屋から塩見小屋まではすいすいと歩くことができました。  


 途中塩見小屋から山頂までは岩場があり慎重に登っていきましたが、特に問題はなし。(ひとり だけ大キレットとか言ってたやつもいた。Twin合宿の皆さん、キレていいですよ。)そして西峰着。 西峰~東峰間ではあのブロッケン現象が。  

(しかし見すぎて飽きる。)

 東峰でまったり嗜好品タイム。何気に山頂で嗜好品を飲むのは初めてでした。しかし爆風。一年 男子のKが必死に岩にしがみついていました。そのまま飛ばされたらいいのに(渡辺談)。帰りし なに塩見小屋に寄っておはぎプラスそば茶、チョコパンを食べました。染みる。そしていざ下山と いうときに、本性を現す私の膝・・・。まあ何とか下りきりました。道中にアヒルちゃんを鳴らしてい たら、すれ違いの方が新種の鳥の鳴き声かと思って必死に探していらっしゃいました。最近100 均によく生息しているので、皆さんもぜひ探してみてください。本日のエッセンは水桜さんのトマト カレー。メインザックからトマト缶の紙パック版が二個くらい出てきたときはびっくりしました。昨日 もカレーを食べたというハードルがありながらも、これが絶品。エッセンはウマければうまいほど いい。 

8月11日 

 台風が近づいていることに留意しながらいざ出発。  



 この日は高山裏避難小屋までの予定でしたが、日程を縮めて荒川小屋まで行くことも視野に入 れていました。取り敢えず高山裏までということでしたが…、道中の小河内避難小屋にてみんな がオコジョと(私は小屋番のおっちゃんと)戯れているときにまさかの事態が発覚しました。なんと あのKが小河内避難小屋のことを高山裏避難小屋と勘違いしていたのです。すっかり安堵しきっ ていた彼にとっては今から高山裏避難小屋まで行くことはおろか、荒川小屋まで行くことなど不 可能のように思われました。衝突する私とK。険悪になる空気。消耗する体力。くそみたいなピー ク。(みんながどれほど参っていたかはこのあたりの写真がほとんどない事からも伺えると思いま す。)それでも歩みを止めることはありませんでした。高山裏避難小屋にて計画を練り直し、小屋番の方からアドバイスだけでなくパンまでいただいた我々は荒川小屋まで行くことを決断。そして 点線ルートを越えて何とかたどり着くことができたのです。


なんか私の首の角度おかしいな 


 本当にみんなよくついてきてくれたと思います。最大限の感謝を述べたいと思います。ありがと う。そして私とぶつかりながらも頑張ったK、これを成し遂げられた君にはもう何も心配事はありま せん。今後も山を楽しめ。この日のエッセンは首領渡辺による麻婆春雨。さすが首領といったとこ ろか、まるで闇鍋のように調味料を入れていく姿にはハラハラさせられました。P.S.ちゃんとおい しかったです。 

8月12日 

 昨日の疲労を考慮して出発時間を遅らせ、本日目指すは百閒洞山の家。そして二つ目の見どこ ろ、赤石岳!小赤石岳からの登りが割とキツかったような…。後輩を煽れて楽しかった。 すれ違いのツアーの方に励まされながら、赤石岳登頂。

 

しかし、ガスっているな…。


 ここでトラブル発生!なんと私の山靴のソールがはがれたのです。工具箱の安全ピンを使ってそ の場しのぎをしていましたが、すぐに剥がれてしまい困惑していたところ、先ほどすれ違ったツアーのガイドさんが修復方法を教えてくださいました。本当にありがとうございます。この場を借り て感謝申し上げます。このおかげで無事に下山することができました。道中異様にマダニを気に する輩がいましたが、いつも通り無視。百閒洞山の家は周りの雰囲気に溶け込んだ良い山小屋 でした(が、電波を取得するためには×印を突っ切っていかなければならないという凄まじさ。そしてそこへと単身で進んでいった渡辺氏。どこかの嗜好品をやりたがっていたやつとは大違いですね。)この日のエッセンはコバのチゲスープ。米とは別に炭水化物の姿が見えたけどきっと気のせいでしょう。そしてこの日はなんと合宿初の大富豪(という名の暴露大会)をしました。かつてのきときと合宿メンバーが二人もいながら、なんたる体たらくか。今までみんなテント場に着くなり疲れ果てて寝てしまっていたのですが、この日は不運にも目覚めてしまっていたのです。阿鼻叫喚の地獄…とまでいかなかったのが幸いですが。いやぁしかし暴露抜きに合宿は成り立ちません な。 

8月13日 

 この日は合宿最後の見どころ、聖岳を目指します。出発は3時。道中の道迷いポイントで一緒に 彷徨ってしまった大阪のおじさんと全く同じ行程であったために、まさかのここで新メンバー追加、 幻の6人目となりました。ピークにつくと彼は私たちの笑顔を全力で引き出してくれました。

小兎岳でこの笑顔である 


 しかしこの日の行程のキツイことキツイ事。兎岳までアップダウンの繰り返しであったのですが、 天気がとてもいい。そして素晴らしい眺望。聖岳の荘厳さがまざまざと観れました。だが驚くのは まだ早い。なんと真にキツイ行程はここからだったのです。兎岳から聖兎のコルまで下ったのち に一気に聖岳まで登り返すというルートで、道は細く鬱蒼としており、8/11の再来、いやそれ以上 かという状況。さらにはガスり始め…。それでも皆頑張ってくれました。そしてついに!


聖岳登頂! 


 めちゃくちゃガスってましたが、その達成感たるや。ちなみにこの写真も大阪のおっちゃんに撮っ ていただいています。ありがとうございます。何とか晴れないものかと、昼寝したり、嗜好品を飲 んだり靴を修理したり、電子タバコをもらったり(あと謎の構図で写真を撮っているお二方がいま した。怖い。)結果100分の滞在をするも晴れず惜しみながら山頂を後にしました。私の靴の修理 に用いていたテーピングが底をつき、思案の末に聖平小屋へ駆け込むと、快くテーピングをいた だけました。なんと寛大なことか。本当にありがとうございました。この日のエッセンは合宿のエー ス将太のパスタ。やっぱり具沢山というのは大正義。そしてこの日はなんと!


 みんなが私の誕生日(実際には前夜ですが)を祝ってくれました!まさか山で、しかもこんな終盤 でとは思いもよらず、重かったろうに…。みんな本当にありがとう!!めっちゃうれしかったです! 

8月14日

 ついに最終日。正直つらいときはもう帰りたいと思っていましたが、いよいよ下りるとなるとまだま だいたいなぁと思うのが不思議ですね。さてこの日はずっと下り。ひざに留意しながらもさくさくい きます。途中沢をゴンドラで渡るのに苦戦し、ワンゲルであっても腕力は必要なんだなと実感しま した。そして極度にヒルを怖がる輩がいましたが、最後であっても無視。そのまま長い道を進み、 途中崩落個所を通るときは気を抜かずに…。そしてついに! 


完走! 


 芝沢ゲートに到着。みんな本当にお疲れさまでした。 

結び 

 この合宿は様々な人たちの助けを借りて完走することができました。 

まずは合宿メンバーたちへ、みんなのおかげで楽しい合宿になりました。心の底から感謝してい ます。ありがとう! 

次にサポートしてくださったワンゲルの方々。おかげで無事に下山することができました。ありが とうございます。 

そして合宿中に出会った方々。すれ違いの方をはじめ、テント場で一緒になった方、小屋の方と の出会いが心の支えに、そして実際の助けになりました。皆さん本当にありがとうございました。 最後に拙い文章ですがお読みいただきありがとうございました。今後とも信州大学ワンダー フォーゲル部をよろしくお願いします。それでは。


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