歩荷錬成 2025/6/28-29
歩荷錬成 2025 6/28-29
はじめまして、一年の鈴木といいます。私からは、6月28日~29日に行われた歩荷錬成についてお伝えしようと思います。拙い文章ですが、お楽しみいただければ幸いです。
歩荷錬成と言いますのは、男子30kg, 女子26kg以上の荷物を持ち、1000m以上の標高差を登るとクリアできる錬成なのですが、まあお察しのとおり大変に厳しい山行でございます。
上の図は今回の歩荷錬成で歩いた行程なのですが、この中の2355m地点(前常念岳の下の数字あたりですね)まで歩荷を行いました。ここでだいたい1000mアップです。その後常念岳を経由して常念小屋で一泊し、次の日に蝶ヶ岳まで縦走して下山するというのが今回の山行行程です。
6月28日早朝、1:30に集合し、2:00に出発しました。実は元々もう30分遅い出発の予定だったのですが、駐車場が埋まっていることを考えて少し早めに出発することにしたのです。しかし、やはりというべきか、私たちが登山口に着いた時にはもう近くの駐車場はすっかり埋まってしまっていました。すぐそばに車を停めている方々は、一体どれほど早くここに来たのでしょうか。もはや前日からの車中泊なのでしょう。
さて、私たちは下のほうに停めまして、薄明るくなったころに登山開始です!
と威勢よく言ったものの、まずザックを持ち上げるのに一苦労。重たい…。足にかかる重みがすごくて、最初の林道歩きで、もう先行きが不安になってきました…。
少し進むと本格的な登山道が始まります。地図を見て何となく察してはいましたが、ここからはなかなかの急登の連続です。しかもずっと樹林帯なので、展望も風もないのも辛いポイント。
こうして重さと急登のダブルパンチに耐えながら、一歩ずつ進むことおよそ4時間、ついに2355m地点に到着しました!
ここまでの疲れと一緒に、背負ってきた歩荷水を大放出です。
やっとの思いで背負ってきた水を流してしまうことに寂しさと虚しさを感じる…わけもなく、嬉々として放流しました。
上を見ると、木の上に前常念岳の姿が!青空に映えますね。
ここからは景色もよく、空と山の青を横目に、しかし急登の岩場でひいひい言いながら登ると、一時間ほどで前常念岳に到着です。
↑みんな疲れております
尾根線上をたどっていきまして、常念岳に向かいます。森林限界を超えているので大変景色が良く、岩を飛び移りながらてくてく歩いていきました。
道中には雷鳥さんが…!この方、人間慣れしているようで、私たちが近づいても飛び去るわけでもなく、登山道上をちょこちょこと歩いていきました。その姿はまるで、私たちを先導して案内してくれているかのようでした。
さて、ここまでは進行方向前方は斜面しか見えていなかったのですが、小さな尾根を回り込んで稜線上に出ると景色は一変しまして…
正面に槍ヶ岳ドーン! 恐らく一度も槍ヶ岳を見たことがない人でも、この姿を見れば間違いなく「あれが槍ヶ岳か」と分かることでしょう。(かくいう私もそうでした。)
右を向けば、さらに北側の北アルプスの山々が一望できました。あまりのきれいさに、自分が疲れていることも忘れてしまうほどでした。
さて、常念岳までラストスパートです。標高差にして50mほど、花崗岩のころがる斜面を登っていきましょう。
そうして、休憩含めて登山開始からおよそ7時間、ついに常念岳山頂に到着です!いやー、長かったし疲れた。
でも、この山はそんな私たちを、最高の景色という形で出迎えてくれました。
穂高の山々から大キレットを経て槍ヶ岳、さらにその奥へ、すべてが見えます。雪の白と山の青のコントラストが青空に映えて、大変美しかったです。この景色で、ここまでの疲れが吹き飛ぶような気がしました。
……気がしただけでした。普段だったらそうなるのですが、流石に今回はきつかったです。
みんなで集合写真
↑私事ですが、山頂でフルーツゼリーを食べることにしました。ゼリー、いいですよね。甘いのはもちろんのこと、フルーツの酸味が疲れた体に効きます。私は山頂でゼリーを食べて、優越感に浸れる瞬間がとても好きです。まだ試したことのない方は、ぜひ一度試してみていただければと思います。とてもおすすめです。
さて、降りて常念小屋まで向かいましょう。小屋は常念乗越にあり、上から見るとはるか下に見えます。実際 400mほど下らなければなりません。何か努力を無駄にされた気分です。
これ、明日の朝も登るんだよな、と思いながら下って、常念小屋に着きました!
常念小屋、大きいですね。天気も良かったので、たくさんの人がいました。他大学のワンゲルの方々も複数校いて、人気の山なんだなと思いました。
受付ののちテントを張りまして、ゆっくりします
常念小屋にはカフェがあって、いろいろ売っているのでそれも堪能しましょう
ははぁ~⤵
「おうおう、元気にやっとるかい」(いきなり現れる上役の図)
さて、そろそろエッセンを作ります
本日のエッセンですが↓
1st:スタミナ焼肉丼、たたききゅうり
2nd:夏野菜カレー
3rd:カレー
4th:スタミナ豚丼
でした。どれもおいしそう。しかし、まさかのスタミナ系かぶり、カレーかぶりが発生。そういうこともあるんですね。
まあ、おいしくて幸せなら、OKです👍
では、明日も早いので寝ます。おやすみなさい…
おはようございます。6月29日早朝、二日目の始まりです。
朝食を食べて、片づけをして2:50に出発です。当然まだ辺りは真っ暗。ヘッドライトでいきます。
昨日下った標高差をまたも登り返しておよそ50分、16時間ぶり二度目の常念岳登頂です!
まだ辺りは薄暗かったものの、待っていると東のほうがだんだんとオレンジ色に染まってきました。
かの有名な「やうやう白くなりゆく山ぎは」というのは、このようなことなのでしょうか。
景色を見て、そんなことも頭に浮かんできました。
そしてご来光!!
↑ 常 念 の タ ー ミ ネ ー タ ー
いい景色が見られたところで、先に進みます。
ここからは岩場が続き、なかなかに眺望が良いのですが、途中から樹林帯に入ってしまいます。そして、実はここが縦走路の見どころの一つなのです。
地面に注目すると、ここまでは白っぽい岩だったのが、ここからはやや黒っぽい石になっています。これは地面を構成する岩石が異なるためで、常念岳側は花崗岩、蝶ヶ岳側は砂岩でできています。常念岳のほうが、蝶ヶ岳よりも後に形成されたそうで、次登るときはその違いにも注目してみたいところです。
↓道中のお花たち
↑シナノキンバイ
↑クロマメノキ
↑イワベンケイ
樹林帯を抜けると気持ちの良い稜線歩きが続きまして、景色を堪能しながらしばらく歩くと蝶ヶ岳ヒュッテ、そして蝶ヶ岳山頂に到着です!
これは絶景!素晴らしい快晴で、穂高から槍ヶ岳はもちろん、乗鞍岳や御嶽山、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳などすべてを見ることができました。
↑ 23のみなさん 仲良し!
↑ 24のみなさん と、飛んでる…!
↑25たち き ら ら ジ ャ ン プ at蝶ヶ岳
そしてみんなで蝶ポーズ!
さて、名残惜しいですが降りることにします。
樹林帯を下っていくと現れるのは…?
ゴジラ!!! に見える木!
ちょっと首から下がキモイですね…
結構揺れるこのつり橋を渡りまして…
登山口到着!!お疲れ様でした!
完走した感想ですが、あまりに景色が良かった!天気が最高でした。しかし、だからといって歩荷の辛さが上書きされたわけではありません。普通につらかったです。
前半で辛さを刻み込まれ、後半の景色バフで快感を得る・・・ ん?どこかで似たようなものを聞いたことがあるような…?
( ゚д゚)ハッ! それってまさか、サウナ…? つまり 歩荷錬成≒サウナ ってコト…!?
と、この世の真理に気づいたところで、そろそろ終わりにしようと思います。
長々と書きましたが、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
ぜひ他のブログもご覧になってください。
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