初心者合宿 2023/08/21~31

 

こんにちは
ワンダーフォーゲル部 部長の宮本です。

 この夏は、どこに行っても何をしていても入山中のパーティのことが気になって仕方がなかったのですが、4つの夏合宿とも無事に下山することができて良かったです。

 このブログが掲載される頃には新体制になっていますが、引き続き信州大学ワンダーフォーゲル部をよろしくお願いいたします。

 この合宿、初心者合宿というのですが、その由来をまずはご説明いたします。

 当部では、3年生がいくつかに分かれ合宿計画を立てます。本合宿は大学から登山を始めた2人がタッグを組みました。入部後の買い出しにて登山靴を購入後、靴に慣れるためにと浅間温泉近くの大音寺山へ仲良く出かけたあの頃が懐かしいですね。そんな相方の山之下とワンゲルでの締めを共に飾れること、このうえない喜びでした。

 そしてこの表紙は我々が好きな漫画「ONE PIECE」にでてくる一コマのオマージュです。作中で最強との呼び声高い海賊団の船長と副船長が、世界一のお宝を探すことに本腰を入れると宣言する熱いシーンなのですが、そのお宝ワンピースに今回は合宿の始まりと終わりのピークである剣岳と槍ヶ岳をあてさせてもらいました。ちなみにここに描かれている山車は、実在する高山のおいしい日本酒です。是非ご賞味ください。

 


 我々が初めに登った山が大恩ではなく大音だったためでしょうか。集まった後輩4人は皆元気がよく、いえ、よすぎるために、にぎやかなパーティとなりました。富士山・鳳凰三山と絆を深めて迎えた入山前日。天気予報には、初日より5日間雨と曇りのマークがびっしり。

 あたふたする私に、合宿前に訪れたタイ王国にて天気予報をすべて覆した頼もしい相方・山之下からの「入山しよう」の言葉。これで入山を決意するわけですが、まさか1011日の行程中すべて晴れるとは思いもしませんでした。

 

1日目 室堂~剣沢キャンプ場

 黒部ダムからの入山。記念撮影を無料で行っているという言葉につられ写真を撮ってもらうことに。渡されたはがきサイズの写真と有料のA4サイズの写真のセールスに人が良すぎる私たちは1200円をお支払いさせていただきました。賢い。あの誘いはずるいよ。いい写真ですね。皆、感想を口にしながら室堂へ。到着後は、映画「おおかみこどもの雨と雪」にも登場するみくりが池に行きました。湖に映る山々が美しかったです。一の越山荘に荷物をデポした後、雄山で今後の天気が回復することを祈り剱沢キャンプ場を目指しました。

2日目 剣沢キャンプ場~ライチョウ沢キャンプ場

 剣岳へ。カニの縦バイは思っていたよりも垂直で、登山は死と隣り合わせだということを改めて実感しました。11人の距離間の維持と声掛けもあり、無事に山頂につくことができました。こちら、赤髪が私で、銀髪が薄くなり金髪に戻ってきている方が山之下です。

 髪色も表紙のキャラを真似る気合いの入れようです。雷鳥沢キャンプ場では温泉に入り疲れをとりました。

3日目 雷鳥沢キャンプ場~五色ヶ原キャンプ場

4日目 五色ヶ原キャンプ場~スゴ乗越キャンプ場

 この2日間はアップダウンの繰り返しが多く、関係のないものばかりを持ってきてザックの重量が重い私たちにはきつい行程が続きました。さらに、宮本・山之下はそれぞれ右足のサンダルを紛失し、暴露話をかけた大富豪では何か大切なものを失う者が続出し全員から2日間の記憶が消えることとなりました。

5日目 スゴ乗越キャンプ場~薬師峠キャンプ場

 道中は、日の出をバックにONE PIECEの有名なシーンの再現も。

「この帽子をお前に預ける。いつかきっと返しに来い。立派なワンゲラーになってな。」

 2年生の2人の合宿において頼もしいこと。いろんな面で頼りにさせていただきました。来年は立派なワンゲラー(ワンゲル人)となって後輩を導いてくれることでしょう。

 薬師岳に無事到着後。なにやらウマ娘のアップロードをしている不届き者もいましたが、また一段と槍ヶ岳に近づいたことを噛みしめながらキャンプ場を目指しました。到着後、そして受付のために太郎平小屋へ。ここは私にとってとても思い入れのある場所でした。

 

                  頼りになる2年生

 

―――2年前

 長崎出身の私は、合宿入山日の910日、この時期は九州ではまだ夏のため、普段の山行と同じTシャツに防寒対策としてフリース、そしてレインウェアの装備のまま臨みました。他の装備に関しては、上級生の手厚い確認が行われていたのですが、防寒対策を怠っているとはつゆ知らず初日の薬師峠キャンプ場についてびっくり。そして、私は寒くて震えていました。いきなりの下山ということも選択肢に上がった2日目の朝。なんとかしないといけないと太郎平小屋へと駆け込みました。そこで事情を話すと、オーナーの五十嶋博文さんが優しい言葉とともに厚手のダウンを貸してくださいました。

 そこには、2年前と変わらず優しい笑顔の五十嶋さんがいました。

 お会いすることができ大変嬉しかったです。

6
日目 薬師峠キャンプ場~黒部五郎岳キャンプ場

 太郎平に別れを告げてからの稜線歩きはとても気持ちのいいものでした。
黒部五郎岳。カールが圧巻でした。メンバーの多くが合宿後のアンケートにおいて、好きなピークとして挙げています。テント場では、オコジョにも出会うことができ一同癒されました。

見事なカール

 

7日目 黒部五郎キャンプ場~三俣山荘キャンプ場

 この日は重いザックを背負い、毎日7時間ほどの行程を歩き続けているメンバーの疲労も考慮し、雲ノ平を目指さずに三俣山荘に向かうことにしました。予備食だけでは満たされない一同は昼食のために山荘の食堂へと向かうのでした。伊藤新道開通もあってか小屋は賑わいを見せていました。 ※バリエーションルートのため注意が必要です。

8日目 三俣山荘キャンプ場~雲ノ平キャンプ場

 鷲羽岳でのご来光を目指し出発した一同。ここでペースが速いS.Lの2年生。おかしいと思いながらも懸命に食らいつく3年生。暗闇の中ピークこそ見えないが、休憩の際の読図で位置が確認できると考えていると50分足らずで鷲羽岳山頂に。この時、「次、コースタイムの半分で登ったら、残りの寿命を半分にしてやるからな」と高校時代はそれぞれ空手部と剣道部に所属していた3年生からのパワハラがあったとか。怖いですね。

 日の出とアルプスの山々の競演は見事でした。水晶岳のピークを踏み雲ノ平に到着。

 若干名、雲ノ平の良さを感じることができないくせ者がいたようですが、私はスイス庭園から望む水晶岳が1番好きな景色です。またまた、夕食まで待てない一同はテント設営後に雲ノ平山荘の食堂へと駆け込みます。おしゃれな2年生は、自家製ベーコンとライ麦パンを注文。お味はどうだったのでしょうか。3年生はロング缶に舌鼓を打つのでした。

※行動食は全行程不足することなく持参しております。

鷲羽ポーズ

水晶小屋にて

9日目 雲ノ平キャンプ場~双六岳キャンプ場

 黒部の源流を経由し、三俣蓮華岳に到着。双六岳では、双六を2つ振って出た目が大きい者ほど槍ヶ岳山荘での昼食代が自腹ではなくなるという勝負をすることになりました。

ここで、2を出したら制限なしに全額御馳走することを提案する山之下。
1人目、本合宿唯一の女子部員である1年生がサイコロを振ります。

 

両方のサイコロの目は1     

そんなばかな

 

我々は天空の滑走路にて飛びました。
そして9日目を過ぎたこの頃から上級生の様子がおかしくなってきます。


←天空の滑走路

10日目 双六岳キャンプ場~槍ヶ岳キャンプ場

 西鎌尾根の横風に耐えながら山荘を目指します。途中、すれ違った登山者の方にお勧めの幕営ポイントを教えてもらいつつ山荘へと到着。5人用テントの設営に一苦労しましたが、無事に槍ヶ岳を踏むことができました。今まで歩いてきた稜線を赤く染める夕日。幸せなひと時でした。夕食は、1年生考案のエッセンを食べました。とても美味しかったです。


最後の晩餐


11日目 槍ヶ岳キャンプ場~新穂高温泉

 この日は下山日。朝から、槍ヶ岳の山頂で日の出を拝み、山荘にてキム兄の出来立てのチョコクロワッサンを堪能しました。このクロワッサンの美味たることやら。下山後の温泉に心を躍らせながら歩くこと5時間。無事に下山することができました。


                初心者合宿~完~

 

1年生の2人もほんとによく頑張りました!!えらい!
天気に恵まれ、全行程を完走することができ嬉しい限りです。
遭対をしてくださった4年生。無事を祈ってくれた家族に感謝します。

ありがとうございました。

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